女性の美しさが花に例えられる事がありますよね。
個性ゆたかに咲く花は女性らしさを感じます。
そんな女性を連想させる「花」の豆知識を知っていたら「女性らしいな」という印象になるかもしれませんね。
強く主張するのは恥ずかしいけど、さりげなく女性らしさをアピールしてみたい。
そんな方のために、逸話や美しい物語を背景に持つ花言葉をご紹介します。
▶桜
日本では花の代表といっても過言ではない桜。数多くの作品に取り上げられていますが、とりわけ楽曲のモチーフに多く採用されています。
身近で馴染み深い桜ですが、なんと品種によって花言葉が異なるのです!
桜全般では『優美な女性』『精神の美』を意味します。
日本の桜の8割を占めるソメイヨシノは『純潔』や『優れた美人』と美しい女性の代名詞のような花言葉を持ちます。
沖縄に多く咲くカンザクラの花言葉は『あなたに微笑む』。語らずにただ微笑むというのも、謎めいていて素敵ですね。
多弁咲きの八重桜には『しとやか』『豊かな教養』『良い教育』という花言葉があります。
これはある少年の逸話に由来しています。
厳しい父親が大切にしている桜の枝を折ってしまった少年は、自分のしてしまった事を父に素直に打ち明けます。少年の正直さからこの花言葉が付けられたといわれています。ちなみにこの少年は、後にアメリカ大統領となるジョージ・ワシントンなのだとか。
▷スイセン
花びらの白と中心のイエローがきれいなスイセンは、学名をナルシサスといいます。
花言葉は『神秘』『気高さ』そして『自己愛』。自分を愛するという花言葉、ナルシサスという響き…実はどちらも同じギリシャ神話が元になっているのです。
神話の時代、美少年ナルキッソスは誰からも愛される存在でしたが、「自分を愛する者に、愛を返せない」という呪いがかけられていたので、誰の愛にも応える事はできませんでした。
彼に恋した妖精エコーはひどく悲しみ、肉体を失うほど憔悴して声だけの存在になってしまいます。その事に怒った神様によって、ナルキッソスは水面に映った自分を愛したままその場から動けなくなり、ついには命を落としてしまいました。
その姿はスイセンの花となり、今でも水辺で自らの姿を覗き込んでいるといわれます。
うぬぼれの強い人を指す「ナルシシスト」という言葉もここから転じたそうです。
▶わすれな草
「forget me not」これはわすれな草の英名です。『私を忘れないで』『思い出』『真実の愛』を花言葉に持つわすれな草の由来は、中世ドイツに遡ります。
「美しき青きドナウ」に謳われるドナウ川のほとりを歩く騎士ルドルフは、恋人ベルタのために川岸の花を摘もうと手を伸ばします。しかし足を滑らせ、彼は激しい川の中へ…流れに飲まれる寸前、ルドルフは最後の力を振り絞って花と共に言葉をベルタの元へ届けました。「どうか私を忘れないで」。想いを受け止めたベルタは、生涯に渡りわすれな草を身に付けて過ごしたそうです。悲しい伝説は人々の心を打ち、ヨーロッパでは誠実や友愛の象徴として大切にされています。
▷カサブランカ
「カサブランカの情熱」というフレーズを聞いたことはありませんか?
カサブランカはユリの品種名で、花が下向きにつくのが特徴です。『威厳』『純潔』『高貴』という花言葉にふさわしく、純白で大輪の花を咲かせます。語源はスペイン語で「白い家(Casa Blanca)」。この名前を有名にしたのは、1942年に出た映画「カサブランカ」です。
第二次大戦下のフランス領モロッコ・カサブランカを舞台にしたラブロマンスで、かつて反体制活動をしていた男性リックと、恋人でありながら彼の前から姿を消した女性イルザの再会と別れを描いた物語です。二人の過去と再会、未来に向けて別々の道へ歩み出すまでに散りばめられているフレーズが「君の瞳に乾杯」。情熱や強い思いが込められた、半世紀以上が過ぎた今なお残るフレーズです。
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花言葉は種類だけでなく色や形、国、品種、さらには花束に使う本数によっても意味が異なってきます。そこに共通するのは、花のように見返りを求めず相手の事をただ想う気持ちです。
なかなか想いを届けられない時、ひっそりと相手の事を想っていると伝えたい時…花言葉や作品に意味をひそませて届けてみてはいかがでしょうか。