人間は寿命のうち、1/3を眠って過ごしているといわれています。心身のために重要な睡眠ですが、より良い睡眠のために必要なことはたった1つ。それは『リラックスすること』です。
◆心のリラックス≠体のリラックス
リラックスするためには、心地よい環境に身を置くことが第一です。では、心地よい環境とはなんでしょうか。暗いところ、涼しいところ、少し騒がしいところなど、人によって好みは様々です。ですが、それはあくまで『心』の話。体に必要なリラックスとは、異なっている場合もあるのです。
ここでは、睡眠のために良いとされている環境をいくつかご紹介します。
・室温・湿度
夏は25℃、冬は15℃、湿度はいずれも50%前後であるのが理想とされています。
エアコンや扇風機を活用するのも良いですが、風が直接当たると体が冷えて体温調節ができなくなってしまうこともあります。風向きなどを調節し、冷えの原因にならないようにしましょう。
・音
夜間の室内では、図書館の静けさ(40デシベル)までが許容範囲とされています。厚手のカーテンやサッシを2重に取り付けるなどの対策で静かな環境を保ちましょう。
・明るさ
寝室にはぬくもりのある色合いの照明を取り入れましょう。オレンジがかった、温かみのある色がベストです。やわらかい光が特徴の間接照明も向いています。30ルクス以下の、何かが見える程度のほの暗さが目安とされています。
反対に、集中したい仕事部屋などには、シャープで青白いライトを採用するといいそうです。
・香り
ラベンダー、カモミール、オレンジなどの香りには、気持ちを落ち着かせる効果があります。自分に合った香りを探してみましょう。眠る時に同じ香りを嗅ぐようにしていると、いわゆる学習効果によって、その香りを嗅ぐと自然と眠くなるという効果が表れてきます。
◆「ぬるめ」で「ゆったり」温まる
お休み前のリラックスといえばお風呂ですよね。冷え性の方にとっては、体を温めることは重要です。
心地よく眠るためには、40℃前後のお湯にゆっくりと浸かるのが効果的です。血液の循環が良くなり、首や肩のコリ・緊張が和らぎます。
熱いお湯では刺激が急すぎるので、避けるようにします。目覚めのためには熱いシャワー、お休み前にはぬるめのお風呂が良いのです。
どうしても忙しく、ゆっくり入浴する時間が取れない…という方には、「足湯」がおすすめです。頭寒足熱を実践できるので、体が温まります。
やり方は、洗面器などに40℃程度のお湯を張り、足を浸すだけです。15~20分を目安に行ってください。お好みでアロマオイルを入れてもいいですね。
◆眠りは、明日の活力
ストレスや疲れによる体内時計の乱れは、睡眠の間に修正されます。それにより交感神経と副交感神経のはたらきが正常になり、全身の機能が改善されていくのです。
よく眠り、すっきりした目覚めで毎日を迎えましょう。