近頃、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発表されたり、外出の自粛が要請されたり、何かと家で過ごすことが多いと思います。そんな中でも、家で楽しめるしっとり系映画を2本ピックアップしてみました。
EVA<エヴァ>
2011年に発表されたスペインのSF映画。なんとこの映画、日本では全国公開されていない映画なのです。キーワードは、「目を閉じたら何が見える?」。
舞台は執事型家事アンドロイドが一般に流通し始めようとする2041年。主人公は天才ロボット科学者アレックスという男性です。彼は10年前に中断したままになっていた子供型ロボットの研究を再開するため、大学の要請で故郷に戻ります。故郷にはかつての恋人で今は兄ダヴィッドの妻となったラナがいて、そのラナには一人娘のエヴァがいます。
アレックスは開発する子供型ロボットのモデルとなる候補を探していました。ある日、どこか不思議な少女エヴァと知り合い、彼女をモデルにしようと考えます。話していくうちに絆を深めるアレックスとエヴァ。エヴァと交流を深めていくと重大な秘密が徐々に明らかになっていきます。それは、エヴァが…。
SFと聞けば今から100年後の未来だったり、AIと人類が戦ったり、不穏な作品じゃないかと思う人が沢山いらっしゃるかと思いますが、この作品はそんなことはありません。静かに物語が進んでいくので、家で見るのにぴったりな作品だと思います。ロボットと人は何が違うのでしょうか。機械と生物という種族の明確な違いはあれど、感情を持っていることは同じなのです。しかし、問題を起こせば記憶を抹消され、解体されてしまいます。冒頭に書いた「目を閉じたら何が見える?」は、この世界でロボットを初期化する際の秘密の暗号なのです。この言葉がどこで使われるのかも注目していただきたいポイントです。
レオン
1994年に制作されたフランス・アメリカ合作映画。一度はこの題名を聞いたことがある人も多いかと思います。キャッチコピーは「凶暴な純愛」。
舞台はニューヨーク。主人公はプロの殺し屋レオン。レオンは隣室に住む12歳の少女マチルダと出会います。マチルダは父だけでなく異母姉からも虐待を受けており、継母からはまるで関心を向けられず、幼い弟にしか心を開けません。そんな閉塞感に満ちた日常を彼女は送っていました。ある日、彼女の父が密売の麻薬を横領していたことが麻薬取締局の刑事であり麻薬密売の黒幕、スタンスフィールドに見つかってしまい、レオンのおつかいで家を留守にしていたマチルダ以外は殺されてしまいます。家族の中で唯一愛していた弟のためにマチルダはスタンスフィールドに復讐を誓い、レオンの身の回りの世話をする代わりに、彼から殺し屋の技術を教わることにしました。…ライフルの反射光で狙撃を悟られてはならない、床より明るい服は着てはならない、など。少しずつ距離が縮まるレオンとマチルダ。マチルダはレオンに恋をしたと告げますが、過去に辛い恋愛をしたレオンは受け入れません。家族の愛を知らずに育ったマチルダと、孤独な殺し屋レオン。奇妙な共同生活の中で、二人は欠けていたものをお互いに見出していきます。
一見、物騒な言葉ばかり飛び交っているので怖い作品なのではないかと思ってしまいますが、そんなことはありません。心だけが大人になってしまったマチルダと、体だけが大人になってしまったレオンの優しくも悲しい恋物語です。
最後に
今だからこそ暇というものが憎たらしく感じることもあると思いますが、本来は何に使うことも出来る貴重な時間です。長い時間を自由に使えるときに、映画を見て心を豊かにしてはいかがですか?