韓国には、様々な遺産があります。ユネスコに登録されている世界文化遺産だけでも、華城、朝鮮王陵、石窟庵に仏国寺。中でも朝鮮王朝の都が置かれていたソウルには、かつての王宮が点在しています。
今回はとくに有名な、景福宮と昌徳宮を訪問しました。
景福宮【キョンボックン/경복궁】
多くの車が行き交うソウル中心街、街の途中にそびえる大きな門を超えた瞬間、そこからは別世界が広がります。乾いた風に砂が巻き上げられて思わず瞑った眼を開けると、荘厳な造りの勤政殿が訪れる人々を悠然と出迎えています。言葉を失うほど広い敷地も、遠い日には人々に埋め尽くされることがあったのでしょう。それもそのはず、ここはかつて政治の中心地だったのです。景福宮は朝鮮王朝の開祖、李成柱の命より創建され、1395年より正式に李氏朝鮮の正宮として使用されました。景福宮の名は、当時彼の幕僚であった 道伝によってつけられたものです。現在は一般に広く公開されており、世界中から多くの人が訪れる観光地になっています。
楽しそうな人々に目を奪われていると、後ろから音楽が聞こえてきます。振り返ると、民族衣装で全身を包んだ人々が手に得物を持ち、ゆっくりと行進してきます。かの有名な、王宮守門将交代儀式です。これは朝鮮時代の王宮で行われた王宮門の開閉や警備を担う「守門軍」という軍隊の交代儀式を、専門家による歴史考証を通じて再現したもの。1996年から行われており、現在ではソウルを代表する伝統行事となっています。「ドン!」と腹に響く、厳鼓手による太鼓の音を合図に粛々と進む儀式は、まるで自分が当時の朝鮮にタイムスリップでもしたかのようです。
古都に出逢う
毎年4月と9月に行われる王宮結婚式の再現行事「嘉礼」や国楽公園など伝統行事も多く開催されており、市民や観光客が気軽に歴史文化に触れられる場所として親しまれています。
数多くの貴重な文化遺産を味わうことが出来るここは、仏の世界に足を踏み入れ、極楽清
な場所ともされています。1995年にはユネスコの世界遺産にも認定された、韓国が世界に誇る宝の一つです。
昌徳宮【チャンドックン/창덕궁】
雄大な自然とともに、歴史に触れあう
景福宮から徒歩20分、北村韓屋村へと向かう横道を通り過ぎ、コンクリートの街並みに唐突に緑が現れたら、そこが昌徳宮です。昌徳宮は、正宮である景福宮の離宮として創建されました。現在の韓国国内の宮殿の内で、最も創建当時の面影を残している宮殿であり、1997年にはユネスコの政界文化遺産にも登録されています。
昌福宮の見所は、なんといっても広大な王宮庭園秘苑。ガイドの先導によって、自然豊かな道程をのんびりと散策することが出来ます。所要時間は90分ですが、美しい風景に気にとられているとあっという間ですよ。旅の思い出に、ハイキングに挑戦してみませんか?
ソウル市 鍾路区栗谷路99
地下鉄3号線安国駅3駅出口徒歩5分
地下鉄5号線鍾路3街駅6番出口徒歩7分
左上:華城【ファソン / 화성】
国鉄1号線水原駅よりバスに乗り、八逹門下車
ソウルから電車で約1時間、ウォーキングやアウトドアが好きな方にオススメの水原華城。毎年4月、5月は色とりどりの花が咲き乱れ、10月初旬には華城文化祭が開催されます。
右上:宗廟【チョンミョ / 종묘】
地下鉄1号線鍾路3街駅 11番出口徒歩3分
朝鮮王朝歴代の王と王妃が安置されている、王室の霊廟。毎年5月の祭礼儀式「宗廟大祭」など、様々な儀式が執り行なわれており、王の子孫らによって当時の伝統が受け継がれる様子を目にすることが出来ます。
左下:雲峴宮【ウニョングン/운현궁】
地下鉄3号線安国駅4番出口徒歩1分
毎年4月と9月に行われる王室結婚式の再現行事「嘉礼」や国楽公園など伝統行事も多く開催されており、市民や観光客が気軽に歴史文化に触れられる場所として親しまれています。
右下:仏国寺【プルグッサ/불국사】
慶州駅から約40分/新慶州駅から約60分
数多くの貴重な文化遺産を味わうことが出来るここは、仏の世界に足を踏み入れ、極楽浄土に導かれる清浄な場所とされています。1995年にはユネスコの世界遺産にも認定された、韓国が世界に誇る宝の一つです。